平成28年7月15日に、東日本大震災、東京電力(株)福島第一原発事故による閉館から、5年4か月ぶりに再開館しました。
 この文学資料館は、市町村合併前の旧小高町時代に、「文化の里づくり」という構想のもと、文化施設のなかに併設されたものです。

 埴谷雄高は、1909年、台湾に生まれました。祖父は相馬藩士であり、廃藩置県のときに小高に土着したことがゆかりとなっており、相馬藩士の末裔であることに強い執着を持っていたと言われています。先祖の墓も残っており、本籍地を動かすことはしませんでした。

 島尾敏雄は、1917年、横浜に生まれました。両親が小高出身地であり、夏休みを利用しては頻繁に訪れ、「いなか」と呼んで親しんでいました。いとこたちと遊び、祖母キクの昔話を聞いて過ごした「いなか」で、島尾作品の原風景は育まれたのだと思います。

 また、ここ南相馬の地は、憲法学者の鈴木安蔵、実業家の半谷清壽、社会主義運動家の平田良衛、文学評論家の荒正人など、多くの文化人が輩出しているところであります。
 その先人たちを生んだ南相馬市の復興はまだ途中ですが、このように関係する多くの資料を収集し、保管し、そして情報を発信することが、この文学資料館の大切な役目だと思います。
 現在も、よりよい館運営を目指すべく、埴谷雄高、島尾敏雄両氏の資料収集をはじめ、南相馬市の文化人等に関する資料を収集、整理を行っております。関連資料の寄贈や寄託など賜ることができれば幸いに存じます。


南相馬市埴谷・島尾記念文学資料館長