結果概要

1. 検査時期

平成28年10月1日から平成29年3月31日

2. 受診者

南相馬市民 4,113人 (大人 659人、子供 3,454人)

3. 検査機器

キャンベラ社製WBC(南相馬市立総合病院) および日立アロカ社製WBC(医療法人伸裕会 渡辺病院(渡辺クリニック))を使用し、セシウム134および137に由来する放射線を測定しました。機器の器械的測定検出限界は、約4Bq/kg(体重)です。今回の結果は、南相馬市立総合病院および渡辺クリニックでの測定結果をまとめて集計しています。

4. 検査結果の説明

(1)図1-1、1-2:今回の測定で放射性セシウムが検出された方は、成人および高校生で2名(0.3%) 、子どもからの検出は1名(0.02%)でした。

セシウム137の体内放射能量別の被験者数

セシウム137の体内放射能量別の被験者数

(2)図2-1、2-2: 平成23年9月から平成29年3月の月別受診者数とセシウムの検出率の推移をグラフで表しています。

 

月別受診者数の推移

月別セシウムの検出率の推移

(3)図3-1、3-2及び3-3 : 放射性セシウムの年齢別検出割合は70代が2.63%と一番高く、男女別では女性の検出率が高い結果となりました。食生活の違いが影響していると考えられます。

年齢別受診者数

年齢別検出割合

セシウム137検出の比較

(4)図4-1、4-2:アンケートの結果、内部被ばくの原因として気になる食材をみると、大人はキノコ類で「とても気にしている」の割合が高いものの、その他の品目はほとんど差がありませんでした。一方、子どもは水や野菜・果物、キノコ類で比較的「とても気にしている」の割合が高い結果となりました。チリやほこりの吸入については、大人は通勤中よりは仕事中に不安を感じている方が僅差で多く、子どもは「学校内・外での外遊び」より「通学中」の「気にしている」の割合が高いことがわかりました。

 

内部被ばくの原因として気になる食材(現在)

塵やほこりの吸入について(現在)

(5)図5-1及び5-2: 食材は、多くの方がスーパーなどで流通しているものや、地元産であっても検査を経たものを摂取されており、未検査の食品の摂取を続けている方は少ない状況です。魚やキノコ類は産地を選ぶ方が多い一方、肉や牛乳は産地を選ばない傾向が見てとれます。

 

食べ物の調達方法

食べ物の調達方法

(6)図6-1及び6-2:水に関しては、飲料水はミネラルウォーターを使用されている方が多く、調理水は市水道を使用されている方が多い傾向にあります。

 

自宅の飲料&調理水の種類

自宅の飲料&調理水の種類

(7)図7-1及び7-2:多くの方が年1回以上のWBCによる検査継続を引き続き希望されていることがわかりました。南相馬市では、今後もWBCでの検診業務を続けていきますので、自身の健康を守るために積極的に受診をお願いします。

今後のWBC検診について

今後のWBC検診について

結果の総括

 今回は、平成28年10月から平成29年3月末までの検査結果に基づいた南相馬市民の体内被ばく危険度についての委員会見解をご報告致します。

  1. 体内に放射性セシウムを取り込んでいる方の割合は、大人・子ども共に低い状況です。現在、南相馬市では、汚染食品等の摂取による内部被ばくのリスクは、非常に低く抑えられていることが判ります。
  2. 食べ物の調達方法で、産地を選ぶ方と選ばない方の差が縮小してきていることから、県内産の食べ物への不安が軽減されてきていることが考えられます。
    これまでのWBCによる体内汚染の検査結果から見ると、通常の流通食品を食べる生活を続けていれば、内部被ばくは、十分に低く押さえられることが判明していますが、水や食品汚染に不安を持つ方もいるため、今後も引き続き積極的な情報提供を行います。
    南相馬市放射線モニタリング結果
  3. 南相馬市では、市民の健康を守るために、今後も内部被ばく検査をはじめとした事業を実施し、市民の内部被ばくを減らすための活動を続けていきます。市民の皆様は、自分の健康を守るために積極的に受診してくださるようお願いします。

 

南相馬市長                桜井 勝延
南相馬市放射線健康対策委員会
委員長   京都大学名誉教授          渡邉 正己
委員  東京工業大学放射線総合センター助教 富田  悟
委員  南相馬市立総合病院医師       坪倉 正治
委員  福島県立医科大学副センター長    宮崎  真