その62 南相馬のネズミあれこれ(令和2年1月1日)

更新日:2020年01月01日

馬、甲冑姿の男の子、ねずみのだるま、おかめ、凧揚げするねずみなどが並ぶ帯状の画像
謹賀新年、子年と書かれてネズミが中央にいる画像

令和初のお正月をむかえた今年の干支(えと)は「()」。いわゆる「ねずみどし」です。

ネズミは、子孫繁栄のシンボルだったり(多くの子を産むから)、福をもたらす大黒様の使いだったり(『()()()』の神話で大国主命(おおくにぬしのみこと)を救ったという話から)、見た目がかわいいとか、ポジティブに語られることもある一方で、病気を運んでくるので不潔とか、人家に入り込んで悪さをするので嫌い・気持ち悪い等々、両極端の評価がある生き物ですね。昔から身近な小動物として馴染み深いので、さまざまな感じ方があるのでしょう。

今回は、そんなネズミのお話しです。南相馬のネズミ事情をさまざまな生き物の視点から少し紹介します。

南相馬にすむネズミ-「家ネズミ」と「野ネズミ」-

枯れた草むらにドブネズミがいる画像

湿った場所を好む「ドブネズミ」

(小高区本町)

日本には20種類のネズミ(ネズミ科)がいるとされていますが(阿部ほか2005)、今のところ市内で確認されているネズミは、アカネズミ、ヒメネズミ、ハタネズミ、カヤネズミ、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミの7種類です。

これらのうち、人家の近くで見られるネズミは、下水道・床下など湿った場所を好むドブネズミ、ビルや天井裏など上り下りが得意なクマネズミ、人家近くの野外にすみ、秋~冬に人家に侵入することがあるハツカネズミの3種。これらは俗に「家ネズミ」と呼ばれます。人家に侵入したり、電気ケーブルをかじったりするなど、“害獣”とされることが多いです。

細長い草の先を丸めて作ってあるカヤネズミの巣

カヤネズミの巣

地上1~2mの高さに、葉っぱを丸めて作ります

(小高区本町)

それ以外の4種は、山林・農地などにすむ「野ネズミ」。農作物を食べることもありますが、人家に入り込むことはほぼありません。特に河川敷のカヤ原などにすむカヤネズミは日本一小さく(大人の親指ほど)、福島県が作成した最新のレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物リスト)では「情報不足」とされ、見かける機会が少なく、くわしい生息範囲などがわかっていないものの、住む場所が限定され、環境の変化で生息数が容易に減少する恐れがあるネズミとされています。市内数カ所でカヤネズミの特徴的な巣が確認されていますが、数はそう多くありません。カヤネズミもふくめて、多様な生きものたちが住める環境が、多く残ってほしいものです。

このように、ひと言で「ネズミ」と言っても、図太くタフなイメージがあるものから、繊細でひっそりと過ごすものまで、住む環境などによって、大きさや姿かたちが異なるネズミたちがいることを知っていただけたらと思います。

南相馬の「ネズミ」の名前がつく生き物

ネズミではないのに「○○ネズミ」「ネズミ○○」という名が付いた動植物がいます。色や形がネズミそのものに似ているものもいれば、ネズミのように小さい、ネズミのように普通に見られる等々、さまざまな理由があるようですが、ネズミが身近な生き物だからこそ、名付けられたことは間違いないでしょう。ここでは“ネズミじゃないネズミ”を紹介しましょう。

哺乳類

鼻先がとがっている黒っぽい色の小さなジネズミというモグラの仲間の写真

実はモグラ(食虫類)のなかま

「ジネズミ」(小高区吉名)

・ジネズミ~実はモグラのなかま~

ぱっと見はネズミに似ていますが、モグラ(食虫類)のなかま。モグラのように地面を掘らず地上にすむので、スコップのような大きな前足はありませんが、目が小さく鼻先が尖っているところはモグラっぽいですね。森林から人家の近くまで広く分布していて、南相馬では山間部(原町区国見山)や市街地(小高区吉名)で確認されています。なかなか見かけることはないかもしれませんが、割と多く生息していることが考えられます。

海の浜辺に打ち上げられた小さなイルカの写真

小型のイルカ「ネズミイルカ」

(鹿島区烏崎)

・ネズミイルカ~ネズミのように小さい?~

ずんぐりした小型のイルカのなかま。頭の先端が丸くてクチバシが短く、背面~背びれ~尾びれ・胸びれが濃いグレー、側面が薄いグレー、腹面が白っぽい色をしています。2006年1月、鹿島区烏崎海岸に漂着したことがあります。 なぜ「ネズミ」がついたのか、よくわかっていないようですが、イルカの中では小型なので、ネズミのように小さいとか、色(グレー)がネズミに似ているなどの説があるそうです。

植物

葉っぱがトゲトゲした木の枝の写真

葉がするどい「ネズミサシ」の仲間

(鹿島区北海老)

・ネズミサシ~ネズミが刺さる?~

写真の植物は「ハイネズ」といって、「ネズミサシ」という樹木の仲間です。市内では海沿いの丘陵地の白っぽい斜面によく見られます。この名前は針のような葉がネズミを刺して防いでくれることに由来すると言われています。実際にネズミを防ぐのに役立つのかはよくわかりませんが、さわってみると指先にチクッとした痛みが走るので、とにかく痛いのはたしかです。

ミニテーマコーナーに展示中です

1月より、博物館常設展示室に「チューもくの博物館ねずみコレクション」と題したミニテーマコーナーを設け、子年のはじまりにふさわしい資料を紹介しています。博物館ならではの視点で「ネズミ」を再発見してみてください。

【ミニテーマコーナー】

本年も南相馬市博物館では、さまざまな展示会・イベントをご用意しております。昨年同様、当館をどうぞよろしくお願いいたしマウス。

(ふ・な)

馬、甲冑姿の男の子、ねずみのだるま、おかめ、凧揚げするねずみなどが並ぶ帯状の画像

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教育委員会 文化財課 博物館

〒975-0051
福島県南相馬市原町区牛来字出口194

電話:0244-23-6421
ファクス:0244-24-6933
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