その24 盲目の旅芸人 瞽女(ごぜ)さんを知っていますか? (平成28年11月1日)

更新日:2019年07月22日

南相馬市のキャラクター郷くんとノマくんのイラスト
傘を被り大きな風呂敷を背負った長岡瞽女巡業姿の写真

最後の長岡瞽女巡業姿
南魚沼郡大和町穴地 昭和51年7月
写真提供 鈴木昭英氏(瞽女唄ネットワーク会長)

 瞽女は江戸時代から昭和の高度成長期まで活動していた、各地を旅して三味線を弾きながら語り物や歌い物をうたった盲目の女性です。明治時代には新潟県内に多くの瞽女がいて、東北各地、福島県浜通り地方も訪れて、門付芸をしていました。ラジオやテレビがまだ普及する以前、農村部では農閑期にやってくる娯楽として歓迎されました。
 瞽女は室町時代の絵巻物には琵琶法師とともにその姿が描かれていて、江戸時代までにはほぼ全国的に活躍していました。特に越後瞽女の活動は広範囲で、関東・東北地方から一部北海道まで渡っています。最盛期の明治中頃には、新潟県中央部[長岡市ほか(長岡瞽女)]から北東部[新潟市ほか]、南西部[上越市ほか(高田瞽女)]でそれぞれ大小の里集団で活動していました。長岡瞽女は相馬地方へも多く訪れ、相馬地方の民謡にも影響を与えたといわれています。

 瞽女は単に歌芸人としてだけでなく、瞽女が来訪すると縁起が良いとされて歓迎されました。生業(養蚕など)・産育・治病などで信仰的に期待されていたことから、瞽女には宗教性が色濃く残されていて盲目巫女の流れをくむと考えられています。

 『瞽女口説地震の身の上(ごぜくどきじしんのみのうえ)』

古文書瞽女口説地震の身の上の写真

『瞽女口説地震の身の上』
林眞一郎氏蔵

 瞽女歌の歌詞を書いたものがあって、稽古や記憶とりもどしのために、少しでも目の見える瞽女や手引き、家族などの晴眼者から読んでもらっていました。このため、稽古の際にこれを座右に置き、あるいは巡業商売にこれを携帯する瞽女も少なくなかったようです。熱心な聴衆の中には、その物語の歌詞を覚えようとして、これを書き写す人もありました。
 瞽女の全盛時代だった江戸時代末期から明治時代には、瞽女や一般の愛好家を対象に歌本を印刷・販売する出版業者も現れました。それらの歌本は瞽女唄の段物や口説きを出版していたようで、その所在地は長岡瞽女の分布圏内にあり、長岡瞽女の伝承になる歌本といわれています。なお、高田瞽女の歌によるこの種の印刷物や写本はまだ見つかっていないようです。
 市内の旧家には、長岡瞽女系の歌本と考えられる『瞽女口説地震の身の上』という本の手書きの写しが伝わっています。
 これは、文政11年(1828)11月12日に起きた信濃川流域の三条・燕付近で起きたマグニチュード6.9(推定)の大地震「三条地震」(死者1,500人あまり)の災害から、社会や人の心の荒廃ぶりを批判した内容です。

斎藤真一が描いた瞽女の物語

斎藤真一作赤い陽の村という絵画の写真

赤い陽の村
斎藤真一 個人蔵

 斎藤真一(1922~1994)は瞽女の旅姿と雪国の風景を哀愁的に表現した画家として有名です。昭和37年(1962)頃から瞽女に惹かれて盲目の女性を描きはじめ、昭和40年(1965)から約10年間、瞽女を取材するため越後に通いました。昭和45年(1970)以降、越後瞽女をテーマにした個展やエッセイを多数発表しました。また、昭和50年代~60年代には瞽女だけでなく、さすらい・吉原・大正ロマン等の新たなテーマの作品を発表しています。

南相馬市博物館の、瞽女と斎藤真一に関する展示(小さなコーナーでの展示です)

  • 平成28年10月12日(水曜日)~平成29年1月8日(日曜日)
    「盲目の旅芸人 瞽女(ごぜ)」
    ―『瞽女口説地震の身の上(ごぜくどきじしんのみのうえ)』と斎藤真一が描いた瞽女の物語―
    お問合せ:南相馬市博物館 0244-23-6421

県外の、瞽女と斎藤真一に関する展示とイベント

  • 平成28年10月15日(土曜日)~12月25日(日曜日) 財団法人出羽桜美術館(山形県天童市)
    「越後瞽女日記」(斎藤真一作品展)
    お問合せ:出羽桜美術館 023-654-5050
  • 平成28年11月20日(日曜日) 新潟県立歴史博物館(新潟県長岡市)
    伝統芸能上演会「越後・佐渡の門付芸」 要申込 先着順
    お問合せ:新潟県立歴史博物館 0258-47-6130
  • 平成28年12月3日(土曜日) 金井能楽堂(新潟県佐渡市)
    にいがたの門付芸を活かした地域活性化事業 第2回講演会
    「門付芸と佐渡」 講師:池田哲夫(新潟大学)・板橋春夫(新潟県立歴史博物館) 要申込 先着順
    お問合せ:新潟県立歴史博物館 0258-47-6130
  • 平成28年12月18日(日曜日) 胎内市産業文化会館(新潟県胎内市)
    にいがたの門付芸を活かした地域活性化事業 第3回講演会
    「越後瞽女の旅」 講師:鈴木昭英(瞽女唄ネットワーク会長) 要申込 先着順
    お問合せ:新潟県立歴史博物館 0258-47-6130
  • 平成29年2月5日(日曜日) ミュゼ雪小町(新潟県上越市)
    にいがたの門付芸を活かした地域活性化事業 第4回講演会
    「日本の門付芸と民俗音楽」 講師:小野寺節子(國學院大學) 要申込 先着順
    お問合せ:新潟県立歴史博物館 0258-47-6130

(二本松)

南相馬市のキャラクター郷くんとノマくんのイラスト
この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会 文化財課 博物館

〒975-0051
福島県南相馬市原町区牛来字出口194

電話:0244-23-6421
ファクス:0244-24-6933
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