南相馬の暮らしは最高にちょうどいい このまちで日常と挑戦を楽しむ

ドライ清掃ロボットAsionの修理をする上村さん

南相馬の暮らしは最高にちょうどいい このまちで日常と挑戦を楽しむ

上村 宗弘  さん(47)

うえむら・むねひろ

2019年〜 南相馬市在住

 

大阪府吹田市生まれ

学生時代まで大阪府で過ごす。(~24歳):建築の設計士を目指し住宅会社に勤務。兵庫県の住宅展示場に配属され、営業の仕事に携わる。(~26歳):転職し、切削加工会社に勤める。(~42歳):株式会社F-Designに転職し、神奈川県相模原市の本社に勤務。(~44歳):南相馬事業所の開所を機に南相馬市へ移住。

 

株式会社F-Design 南相馬ロボット開発事業所

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さまざまな職業を経験してきた上村さん。
社長との雑談で新事務所進出の話しがあり、「面白そう」と思わず言った言葉をきっかけに南相馬市に移住することになりました。都会にいた頃とは働き方も暮らしもがらりと変わり、このまちでの暮らしが最高に楽しいといいます。
変化や辛さまでもを楽しむという上村さんに、南相馬での新規事業のやりがいや暮らしの楽しみ方を聞きました。

移住のきっかけについて話す上村さん

作る側から0から1を生み出す職業へ転職

Q1. 南相馬市に移住したきっかけを教えてください。
 

A.
私はこれまでさまざまな仕事をしてきました。大阪府で生まれ、始めは住宅の設計士を目指して住宅会社に勤務しましたが、住宅営業の仕事をすることになりました。ものづくりが好きだったこともあり、その後加工会社に転職。依頼されたものを作る事も楽しかったですが、今度は0から1を生み出すことに携わりたいと思い、42歳で現在勤務している株式会社F-Designに入社しました。始めは本社のある神奈川県相模原市で設計の仕事をしていましたが、弊社社長と雑談をしている中で、「南相馬市に事務所を出そうと思っている」と聞き、「いいですね」と軽い相槌のつもりで返事をしたことがきっかけで、南相馬事務所の開所に関わることに。
 

南相馬市のことはほとんど知らずに、その話が出てから半年あまりで新しい刺激が欲しいと思い移住することになりました。

 

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Q2.ほとんど知らない土地に移住することに抵抗はありませんでしたか?


A.
私自身旅行が好きなので、南相馬市に移住することは旅行気分で承諾しました。実際に移住する前にまちの様子も見せてもらい、フィーリングで「このまちに住める」と感じました。


それに、釣りが趣味なので、海が近いというポイントにも惹かれましたね。
 

不便を助ける協働ロボットを開発し地域に貢献する

Q3.株式会社F-Designはどのような会社なのでしょうか?
 

A.
弊社は元々自動車部品などの請負開発からスタートした会社です。その後医療機器やアミューズメント機器の請負開発などを行い、2014年ごろから「+ロボット」をテーマに掲げてロボット開発支援をし、南相馬事業所開所に伴い自社製品のロボットベース開発を開始しました。
 

私自身も、いろんなものづくりに挑戦できるこの会社に魅力を感じて入社しました。南相馬事業所では、請負開発の他に、自社製品の段差、衝撃に強いサービスロボットのベースとなる汎用性の高いロボットベースを開発しています。
 

設計からプロジェクト管理、営業まで幅広い仕事を行う上村さん
ドライ清掃ロボットAsionの状態を確認する上村さん

Q4. 南相馬での仕事内容を教えてください。
 

A.
現在は、南相馬事業所所長兼ゼネラルマネージャーとして設計からプロジェクト管理、営業まで広く行っています。このまちに来たからには私たちも地域に貢献することがミッションだと思っているので、自社製品の開発では、基本的には南相馬市の加工会社様へ部品などを発注させてもらっています。また、共同開発した、業務用お掃除ロボットは市内のホテルに納入させていただいております。
 

そういった事業者さんとのやりとりや営業活動をきっかけに、地元の方との繋がりがどんどん増えてきているのが嬉しいです。
 

私自身も南相馬で暮らしながら、「日常の中で感じる不便をロボットの力で解決できないか」という視点を常に持ち、今後のロボット開発に生かしていきたいと思っています。
 

そして、この仕事は一生勉強が必要なので、自分で調べたり社内の人に聞き、日々学んでいます。失敗するとショックを受けますが、その分必死になるので早く身に付くと思っています。学校の勉強とは違い、実践に生かさないといけないので、失敗を恐れずチャレンジしないと身になっていかないですね。
 

失敗を恐れずにチャレンジすることが大事と話す上村さん

繋がりが生まれる「最高にちょうどいいまち」で挑戦していく

Q5. 南相馬に来てから働き方や暮らしは変わりましたか?
 

A.
どちらもがらりと変わりました。神奈川県にいた時は、社内で黙々と設計の仕事をしていました。南相馬に来てからは、営業やプロジェクト運営で社外に出ることも多く、知り合いがどんどん増えています。
 

その分私生活でも友人が増えました。移住する前は社外の人と出かけることはなかったですし、お金を使って遊ぶという感覚でした。しかし、南相馬では釣りやキャンプなど自然を楽しむようになり、私にとっては最高にちょうどいい暮らしができていて楽しいです。
 

私がやりたい事を皆さんにお話すると自然と繋いでくださり、南相馬ですでに実現したことがたくさんあります。海釣りをするために船にのせてもらったり、ずっとやってみたかった米作りも一からやらせてもらいました。そして今年は、お手伝いした新米をいただいたんです。また、野馬追にも出させてもらい、このまちでの暮らしを満喫しています。南相馬での暮らしは、いろんな自然に触れられます。都会のようになんでもあるわけではないけれど、不便を楽しめるまちだと感じています。
 

南相馬のちょうどいい暮らしについて笑顔で話す上村さん

Q6. 移住を考えている方へメッセージをお願いします。
 

A.
南相馬は「挑戦しやすいまち」だとよく耳にしますし、私もそう思います。それは、環境や場所に起因するものではなく、人がつくり出しているものだと感じているからです。例えば、私がこのまちで「暮らしに役立つロボットをつくりたい」とか「米作りをやってみたい」と言ったときに、動いてくれる人や協力してくれる人、一緒に考えてくれる人が多いんですよね。行政の方も私達がやりたいことや、案などを親身になって聞いてくださり、実現に向けて動いてくれる方がたくさんいるからこそ挑戦できていますし、良い方向に変わっていく期待感をもっています。
 

私のように、自然の中で暮らしを楽しみたい人や何かに挑戦したい人は、一度南相馬を訪れてみてほしいです。特にロボット業界で考えると、高齢化が進んでいたり、不便を感じやすい田舎だからこそ役立つ可能性が大きい。このまちで育った若者も、移住を考えている方も、南相馬の魅力を知って、自ら動くことでチャレンジを楽しんでほしいと思います。
 

南相馬のわたしのお気に入り

烏崎海岸の朝の錬馬風景

南相馬市鹿島区の烏崎海岸

南相馬に来て初めて釣りをするために烏崎海岸を訪れました。朝焼け時、私の目の前に馬が走ってきたんです。南相馬が馬のまちだと知らなかった私は、馬が普通に目の前にいることにも驚きましたし、海辺で馬が走る光景があまりにも美しくて思わず写真を撮ってしまいました。

職場のある南相馬市産業創造センター前で笑顔の上村さん

自社製品で暮らしの不便を解決していきたいと目標を語ってくれた上村さん。都会では得られない人との繋がりや南相馬ならではの自然を満喫した暮らしを話してくださり、その仕事や暮らしぶりに思わず惹き込まれてしまいました。今はキャンプ仲間を探しているとのことで、これから更に南相馬での楽しみが増えていきそうです。

テキスト:髙橋慶香/写真:鈴木穣蔵

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更新日:2023年03月28日