【鷺内(さぎうち)遺跡 3000年前のクルミかご】オンラインギャラリートーク⑤
『たくさんのかご・ざる』
鷺内(さぎうち)遺跡からは、クルミかごのほか、全部で16点のかご・ざるが出土しました。この数は福島県の中では、現在、最も多い出土数となっています。今回は、クルミかごのほか、長く展示できるよう保存処理が行われたかご・ざる3点を展示しています。
6号編組(へんそ)製品としたものは、かごです。タテ材が斜め方向に伸びる編み方をしています。口の下をギュッと絞るようにすぼめ、口の部分は目が詰まらない編み方をしています。同じかごでも、クルミかごとはずいぶん違いますね。
11号編組製品は、6号編組製品と重なるように敷かれて出土しています。壊れた破片部分のみですが、これらは穴の中で土が巻き上がらないよう、または水を濾過(ろか)するために、転用されたものと考えられます。
1号編組製品はクルミかごの下の層から出土しました。製品の高さがなく、口が広いことからざると考えられます。縄文時代のざると確認できるものは全国的にとても少なく、貴重な例です。底の部分、底から立ち上がる部分、口の部分と編み方に違いがあることがわかります。この編み方によって形が決まってきます。
このように鷺内遺跡の縄文人は、複数の編み方を用いながら、多様な製品を作っていたことが明らかとなりました。
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更新日:2021年05月31日