恵みの秋、ミニ展示やってます!!(平成27年11月9日)

季節はすっかり秋になりました。何をするにもちょうど良い季節は、読書の秋、スポーツの秋、芸術の秋、食欲の秋・・・とうたわれます。その中でもやっぱり「収穫の秋」の喜びは何ものにもかえがたいものがあるのではないでしょうか。
博物館ではエントランスホールのミニ展示コーナーにて、「ちょこっと☆みゅーじあむ」で取り上げた郷土料理べんけい、イノハナと呼ばれるキノコのコウタケ、鮭(昔から当地域では鮭漁が盛んです。)など、この地域の秋の味覚を紹介しています。秋のおくりものは私たちのお腹を満たしてくれるだけでなく、不思議と心まで満たしてくれる気がします。実り多きことの満腹感は幸福感につながるのかもしれません。
しかし、原発事故以降、私たちはそういった満腹感を感じることが出来なくなりました。食べることの出来ない遠い存在となったものも多くあります。そこにあるものを手にすることが出来ないもどかしさは、郷愁を生むばかりです。
生活が豊かになるにつれ、欲しいものは季節を問わず手に入るようになりました。私たちがそれを望んだからです。そして私たちはそういった生活に慣れすぎてしまいました。
先人たちは多くの実りをもたらしてくれる秋を心待ちに一年を過ごし、実りとほどこしに感謝することを忘れず、自然を敬ってきました。お月見や収穫祭など、実りと収穫への感謝の行事は今も続いていますが、その本来の意味を理解している人はどれくらいいるのでしょうか。
一方的で欲張りな享受がどんな結果を招くのか。今回の事故はその結果の一端かもしれません。いつの間に私たちは手に入れることだけしか考えられなくなっていたのでしょう・・・。
(川崎 悠)




- この記事に関するお問い合わせ先
- このページに関するアンケート
-
より良いウェブサイトにするために、このページのご感想をお聞かせください。
更新日:2024年04月01日