市民の内部被ばく検診(平成24年4月1日~平成24年9月30日) 結果
市民の内部被ばく検診「ホールボディカウンター(WBC)による」の結果(3)
結果概要
1.検査時期
平成24年4月1日から24年9月30日
2.受診者
南相馬市民8,656人(大人6,977人、子ども1,679人)
3.検査機器
キャンベラ社製WBC
4.検査結果
(1)図1-1,1-2
前期とは前回の発表2012.3末まで(検診結果(2))を指します。小児で20ベクレル毎キログラム以上は0.06%になりました。
(2)図2
高齢者ほどセシウムの検出率が高くなります。
高齢なほどセシウムの排泄速度が遅いことも関与していると考えられます。
(3)検出率は低下傾向ですが、未検査の汚染食品を継続的に摂取することにより、高めの値を検出する方が一部散見されます。
今回、セシウム137が50ベクレル毎キログラム以上を検出された方が3名(それぞれ 141, 56.7, 50.7ベクレル毎キログラム)おられました。3名とも出荷規制のかかったキノコを継続的に摂取しておられた71歳男性と、73歳69歳のご夫婦でした。再検査の結果は図4です。
男女では男性に検出率が高くなります。排泄速度の差など生物学的な差が原因と思われます。
(4)図4-1,4-2
大人で1キログラムあたり20ベクレル毎キログラム 以上、小児で10ベクレル毎キログラム以上の14人は、再検査にて全員値は低下傾向を確認しています。
(5)図5
検査月別のセシウム検出率は、大人は低下傾向、子どもも低い状況を維持しています。
(6)図6
小児、高齢者の受診に比べ、高校生の受診率がやや低い傾向にあります。
今後も検査受診への呼びかけを続ける予定です。
(7)図7-1~3
2012年7月から希望する市民に2回目の検査を行っており、本図は1回目の検査からの推移を示しています。
子どもは2回目の検査で全員未検出となりましたが、大人で1名未検出者から2回目の検査で検出されました。
この1名の方の2回目の検査値は304ベクレル/body程度ですが、継続検査が必要です。
2回目の継続検査受診率は低く、今後も検査受診への呼びかけが必要です。
(8)図8
米と野菜以外では、地元産のものを消費されている方は非常に少ない状況です。ご高齢になるほど、地元産食品の摂取率が高くなります。セシウムの検出率は全群で低下傾向であり、流通食品、検査済みの地元食品の汚染リスクは十分に低いと考えられます。一部、未検査の汚染食品を継続的に摂取することにより、内部被ばくが抑えられない例も散見されるため、今後も継続的な食品検査が必要となります。
市での農産物検査結果の概要は市のホームページ(農産物)に示しております。
(9)図9
飲料水として、ミネラルウォーターと市水道を使用されている方がほぼ同数いらっしゃいます。両群でのセシウム検出率は低下傾向であり、水道水からの汚染リスクはあったとしても十分低いと考えられます。水の検査結果の概要は市のホームページ(水道水)に示されています。
(10)図10
野外の活動時間は、震災後減少しています。特に高齢者では体力低下に伴う慢性疾患の悪化も危惧されます。
市としては仮設住宅での保健師などによる巡回や健康教育事業など対応をさらに強化してゆく予定です。
結果の総括
第3回目の今回は、2012年4月から9月末までの3月末までの結果をご報告致します。
検査月別のセシウム検出率は、大人は低下傾向、子どもも低い状況を維持しています。去年内部被ばく検査が始まった時期には、セシウムの検出率は60%以上でしたが、今現在では99.9%以上の小児から検出されません。
このことは、今現在の南相馬市での生活を続ける上で、慢性的な内部被ばくが非常に低い状況であることを示していると考えられます。
しかしながら、注意も必要です。一部の大人で比較的高い値が検出されています。原因としては、未検査の汚染食品の継続的な摂取と考えられます。1名未検出者から2回目の検査で検出されました。内部被ばく検査への受診率も低下傾向です。
これらのことから、今後も継続的な検査が必要であると考えられます。今後市としても食品検査体制の強化を図るとともに、学校検診でのWBC検査導入など継続的なWBC検査、初期の被ばくに対する健康フォローの強化を行って行きたいと考えております。
南相馬市長 桜井勝延
南相馬市立総合病院 院長 金澤幸夫
南相馬市立総合病院 医師 坪倉正治
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健康福祉部 健康づくり課 放射線健康係
〒979-2102
福島県南相馬市小高区小高字金谷前84(小高保健福祉センター)直通電話:0244-44-2121
ファクス:0244-44-2123
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更新日:2019年03月30日