市民の内部被ばく検診(平成27年10月1日~平成28年3月31日) 結果
結果概要
1.検査時期
平成27年10月1日から平成28年3月31日
2.受診者
南相馬市民 4,208人 (大人 688人、子供 3,520人)
3.検査機器
キャンベラ社製WBC(南相馬市立総合病院) および日立アロカ社製WBC(医療法人伸裕会 渡辺病院(渡辺クリニック))を使用し、セシウム134および137に由来する放射線を測定しました。機器の器械的測定検出限界は、体重1キログラム当たり約4ベクレルです。今回の結果は、南相馬市立総合病院および渡辺クリニックでの測定結果をまとめて集計しています。
4.検査結果の説明
(1) 1-1、1-2
今回の測定で放射性セシウムが検出された割合は、高校生以上で0.7% 、1キログラム当たり20ベクレル以上を検出した方はいませんでした。
一方、子どもの検出割合は、0.03%でした。
(2) 図2-1、2-2
平成23年9月から平成28年3月の月別受診者数とセシウムの検出率の推移をグラフで表しています。
(3)図3-1、3-2及び3-3
放射性セシウムの年齢別検出割合は70代が10.0%と一番高く、次いで高いのが60代の2.4%でした。男女別では男性における検出率が高くなります。食生活の違いおよび体内に取り込んだ放射性セシウムの排泄速度(生物学的半減期)の差などが影響していると考えられます。
(4)図4-1、4-2
アンケートの結果、内部被ばくの原因として気になる食材をみると、子どものほうが野菜・果物やキノコ類を気にしている割合が多かった。チリやほこりの吸入については、子どもより大人の方が「「とても気にしている」「気にしている」割合が多く、不安を感じておられる方が比較的多いことがわかった。
(5)図5-1及び5-2
食材は、多くの方がスーパーなどで流通しているものや、地元産であっても検査を経たものを摂取されており、未検査の食品の摂取を続けている方は少ない状況です。
(6)図6-1及び6-2
水に関しては、飲料水はミネラルウォーターを使用されている方が多く、調理水は市水道を使用されている方が多い傾向にあります。
(7)図7-1及び7-2
多くの方がWBCによる検査継続を引き続き希望されていることがわかりました。南相馬市では、今後もWBCでの測定業務を続けていきますので、自身の健康を守るために積極的に受診するようにしてください。
【結果の総括】
今回は、平成27年10月から平成28年3月末までの検査結果に基づいた南相馬市民の体内被ばく危険度についての委員会見解をご報告致します。
- 体内に放射性セシウムを取り込んでいる方の割合は、大人・子ども共に測定月が進むにつれて減少傾向を維持しています。現在、南相馬市では、食品等の摂取による内部被ばくのリスクは、非常に低く抑えられていることが判ります。
- 南相馬市民の食品や環境からの内部被ばくのリスクは低く抑えられていますが、一部の方は、依然として食品や飲料水の放射線汚染に不安を持っているようです。
しかし、これまでのWBCによる体内の検査結果から見ると、放射線で汚染した天然食材を継続して食べるようなことをせず、通常の流通食品を食べる生活を続けていれば、内部被ばくは、十分に低く押さえられることが判明しています。水や食品に不安を持つ方もいるため、今後も引き続き積極的な情報提供を行います。 - 南相馬市では、市民の健康を守るために、今後も内部被ばく検査をはじめとした事業を実施し、市民の内部被ばくを減らすための活動を続けていきます。市民の皆様は、自分の健康を守るために積極的に受診してくださるようお願いします。
南相馬市長 桜井 勝延
南相馬市放射線健康対策委員会
委員長 京都大学名誉教授 渡邉 正己
委員 南相馬市立総合病院院長 金澤 幸夫
委員 東京工業大学放射線総合センター助教 富田 悟
委員 南相馬市立総合病院 医師 坪倉 正治
- この記事に関するお問い合わせ先
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健康福祉部 健康づくり課 放射線健康係
〒979-2102
福島県南相馬市小高区小高字金谷前84(小高保健福祉センター)直通電話:0244-44-2121
ファクス:0244-44-2123
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更新日:2022年04月25日