市長・教育長 と修学生との懇談会(令和6年度修学生)

更新日:2023年04月18日

市では、学生の学びを応援するため返還不要型の修学資金事業を行っています。

令和6年2月22日に、修学生に選ばれた学生と市長・教育長との懇談会を開催し、学生の皆さんが目指す将来や、大学での学び、ふるさと南相馬についての想いなどについてお話を伺いました。

自分の将来についての考え方や、その目標を持ったきっかけなど、これから大学を目指す高校生だけでなく、小中学生にも参考となる内容を伺うことができましたので、一部紹介します。

テーマ1 「私が目指すモノ・コト」<きっかけは身近なところに>

大和田教育長)
皆さんが将来目指すものと、そのきかっけは?
 
S.Sさん)「祖父母との暮らしから」

私は、情報端末デバイスの発展と情報インフラ整備に貢献したいと思っている。特に少子高齢化が進んでいる南相馬市のような地域社会を支えていけるような人材になって行っていきたい。

そのきっかけとしては、祖父母との暮らしから「高齢者から見たスマホの使いづらさ」を感じたことにある。私の祖母は高齢者向けのスマホですら、使いづらいと相談してくることがある。

また、インターネット環境が十分に整備されていない地域で過ごすことの不便さを目の当たりにしてきたことや、災害のときにスマホなどを高齢者が使いこなせず、大切な情報をなかなか受け取れていないという状況を見て、このままじゃいけないと思ったこともきっかけ一つ。

 
大和田教育長)

「スマホは電話が便利になったもの」という認識を持っているんだと思う。実際は、パソコンが通話機能を持ったというのが正しいのかもしれない。考え方のスタート地点が違うという点を中々切り替えられないのかもしれない。

 

S.Sさん)

直感的に操作できないというのが現状で、アプリを開く、閉じるという操作も馴染んで ないように思う。それを改善していくためには、やりたいと思っただけでそのアプリが開くとか、そういう技術も発展していかなきゃいけない。

 
Y.Kさん)「地元の企業に触れてみて」

私はコンサルタントになりたいという夢がある。その夢を持ったきっかけは、私の高校で実施している「マイスターハイスクール事業」という取組からである。私達のクラスでは、地域企業の課題を解決するという授業を行っていて、地元の企業を実際に訪れて、どんな課題があるのかを聞き、それをどうやって改善するか一緒になって考えた。企業からは「受発注システムの効率改善」をしてほしい相談を受け、現在の業務の何が問題なのか調べていくうちに、受発注業務の9割が紙媒体によることが問題ではとの答えに行きつき、解決策としてECサイトや新しいシステムの導入を説明して提案することができた。この経験から、私は企業の問題解決策を提案するというプロセスに興味を持ち、業務改善を提案できるコンサルタントになりたい思うようになった。

 
大和田教育長)

具体的な課題を解決して、地域や企業のために役に立つということは、とても素晴らしい経験かと思う。今まで慣れ親しんだものを変えるのはすごく難しいと思うが、それをどうしたら変えられるかなど今回の経験から何か感じたことはあるか。

 

Y.Kさん)

ECサイトなど新しいシステムの導入を提案したところ、費用面などの問題で導入が難しいと言われたことがある。相手にとってよい提案をするためには、費用面も考慮した解決方法も併せて考えていかなければとならない感じた。

テーマ2 「私×(かける)大学=(いこーる)」<学びも出会いも楽しみ>

大和田教育長)

大学に入学したらこんな事をやってみたい、挑戦したい、こういう勉強したいなど、また勉強以外でもチャレンジしたい事などはどんなことか?

 
Y.Kさん)

デジタル技術を用いた経営学に興味があり、高校では情報学やデジタルの知識を学んできた。大学ではデジタル技術と経営を繋ぎ合わせたらどんな経営手法が生まれるか、どんな経営手法を用いれば業務効率が向上するか、売り上げが伸びるかとかといったことを研究していきたい。また、中学校からソフトテニスを続けていて、大学でもソフトテニスを続けたい。

 

大和田教育長)

「大学に入ってこういうことをやりたい」と考え始めたのはいつ頃?

 
Y.Kさん)

高校3年生の初めぐらいかと思う。先ほど話をした地域企業の問題解決をする授業が高校3年生から始まり、その中で問題解決する・提案する楽しさ、そのプロセスに興味を持ち、そういったことに関して大学に進学してもっと深い知識を学ぼうと思った。

 
大和田教育長)

地域企業の問題解決をする授業を受けたことに大きな影響を受けているようだが、その経験が大学進学にプラス面に働いたことはあるか?

 
Y.Kさん)

大学でも地域企業の問題解決のようなプログラムがある。高校の授業で苦労したこと、提案のときの説明不足、自分自身の知識不足などの反省点を生かしながら学びたい。

 

S.Sさん)「安心安全の実現に向けて」

私はソフトウェア系とハードウェア系などの基礎知識をまず固めたい。日常生活で使用している機械でも、表面的に分かっていても中身について知らないケースが多くあるということを、進学先の大学を選んでいるときに気が付いた。まずは基礎知識を固めて、社会全体を便利に、安心安全にしていきたいという私の考えと同じような目標を持つ研究室に入りたいと思う。またそういうものを作るうえで、研究者としての倫理観なども育んでいきたい。

 
大和田教育長)

色々な情報が溢れており、正しい情報をきちんと見分けることは大事かと思う。安心安全を意識したきっかけは?

 
S.Sさん)

ニュースなどを見ていても、機械の進化と共に犯罪の手法なども変化している。それを防ぐためには、作る側が安心安全を大切にしていかなければと考えるようになった。

 
大和田教育長)

そういった考えはいつ頃から?

 
S.Sさん)

安心安全について意識し始めたのは高校2年の後半ぐらいだが、機械系に興味を持ったのは、中学生時代である。きっかけはゲームからだったが、市内にあるロボットテストフィールドでの体験が面白かったということもきかっけの一つ。

 
門馬市長)

二人ともやりたいことがはっきりしていてすばらしい。私が大学に入る時は、何となくの希望はあるものの、二人ほど具体的な夢を持っていなかったような気がする。高校を選ぶときは、どんな思いで進路を決めたのか?

 

Y.Kさん)

パソコンをいじるのが好きだったので現在の高校に入り、その頃は将来の夢とかは決まっていなかった。高校3年生のマイスターハイスクールという教育プログラムを受けたことでやりたい事が見つかった。

 

S.Sさん)

私には兄が2人いて、進路を決める際や学校での勉強面など色々と話を聞いていた。希望する進学先に進むためにも高校でもしっかりと勉強に力を入れていこうと決めていた。

 

門馬市長)

大学に対してどんな期待をしている?

 

S.Sさん)

色々な地域から人が集まるので、交友関係の輪が広がることは楽しみ。逆に、自分とは合わない人も多くなってくると思うので、その点は不安でもある

 

Y.Kさん)

この地方を離れて、都市に出ていくので、新しい考え方や新しいものと出会えるきっかけにもなるのかなと期待している。初めて一人暮らしをするので、自炊とか、お金の管理などは不安。

テーマ3 「南相馬のいま・みらい」<「つなぐ・いどむ」に関わりたい>

大和田教育長)

南相馬市について、こんなふうになってほしい、こんな事ができたらいいな、こんな事やってみたいなっていうような考え、また、自分はこんな風に関わりが持てたらいいなというのがあったら聞かせていただきたい。

 
S.Sさん)「進化と伝統の共存」

10年後はロボットテストフィールドを中心に最先端の技術研究が進んでいると思う。その中でも伝統や自然を守りながら、進化していってほしい。

 
大和田教育長)

進化していくことと守っていくことを両立することは難しいことかと思うが、どうやっていったらよいと思うか?

 
S.Sさん)

伝統を受け継いでいくには、お年寄りなど知識を持った人が大切かと思う。私はそういった点でお年寄りを支えていく力になりたい。

 

Y.Kさん)「移住してきた方のサポート」

私は高校3年間、LLOという小高の魅力の発信と高校生だけで小高の復興を考えるというボランティアに参加していた。ボランティア活動の中で、多くの個人企業と話をしたが、どの企業もお客さんが立ち寄ってくれないという共通の課題を持っていて、それを改善するのは難しいことなんだと感じた。一方で移住された方が小高で起業しているケースもあると知った。将来の南相馬市は、そういった移住してきた方々が起業して活躍できるまちになってほしいと思うし、私はそのサポートをしていきたい。

 
門馬市長)

小高だからこそ店を開いた人もいるし、この地域への強い思いを持ってる人がいるというのを知っていただいていることがとても嬉しい。先ほどの伝統を守るといった話もそうだが、都会に行く前にこの地域の良いところを一つ二つ掘り下げていってもらえると嬉しい。

 
大和田教育長)

皆さんが大学に行ったら、自分の地元について聞かれると思う。

そのときに、私が住んでた南相馬市はこういう所だと教えたいものは?

 
Y.Kさん)

大学合格してから事前学習として大学に行き、実際に講義を受けてきた。その際、自分の地元は福島県だと話をした時に、印象が薄いと言われた。この地域の第1印象は自然が豊かなところと、浜通り地域は海があることだと思うが、進学する大学の周りは海がないところなので、海にとても興味を持ってくれた。

 

S.Sさん)

私は高校で日本史を専攻していて、東北の歴史が出てくることがあった。進学して、日本史に興味がある人がいた際には、このあたりは誰々が居た地域だよと紹介したい。

 

大和田教育長)

北泉海岸はサーフィンが盛んであり、この地域は相馬氏が国替えなく長く治めた地域である。ぜひ進学するまでにそういった事を色々と調べて、聞かれたら自信を持って答えていただけると嬉しい。

 
門馬市長)

外に出て、あるいは新しいステージで大きくなって、人のためになる事について、自分なりに目標を作ってほしい。将来の目標みたいに、自分はこうありたいというものを、常に考え見つけてほしい。それが見つかれば、ただ単に時間が過ぎのではなく、やりたいこと・ありたい姿に向かって進めると思う。

「小中学生へのメッセージ」<夢、勉強、体験>

大和田教育長)

最後に南相馬市の小中学生に一言、先輩としてメッセージをお願いしたい。

 

S.Sさん)

将来の夢や進路は早く決めた方がいい。また、中学・高校・大学と進むにつれて勉強が難しくなっていくので、絶対に勉強をがんばったほうがいい。

 

Y.Kさん)

私はボランティアなどの経験から、小中学生にも少しでも地域と南相馬の力になってほしいと思った。ボランティアや授業を通じて、地域課題や地域社会についてどうやって改善すればいいのか、課題は何なのかとか、少しでも知ってほしいし、興味を持ってほしいと思う。

 

大和田教育長)

小中学生と高校生とのふれあいをもっと増やしたいなと思っている。小学生にとって高校生というのは憧れであるし、そういう意味でも今回二人のお話・アドバイスが聞けてよかった。

 

懇談会の最後に、門馬市長と大和田教育長から修学生の皆さんの学びを応援するメッセージを贈りました。

大和田教育長)

大学生活では自分の夢に向かって進んでもらったらいいと思う。また、色々な人との触れ合いや教授の話などから今の夢は変わるかもしれない。そういったことは当然にあることだと思うので、思い描いた夢に向けて大学でも頑張ってきてほしい。

 

門馬市長)

今日は大学を目指している二人の話だったが、それぞれ大学進学への思いやアプローチの仕方が異なっていて、面白いお話を聞かせていただいた。教育長からもあったが、夢は変わるかもしれないし、また新しい夢が出てくるかもしれないが、大学生活を楽しみながら、そして常に先を見ながら、夢に向かって頑張ってほしい。

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会 教育総務課 総務係


〒975-8686
福島県南相馬市原町区本町二丁目27(本庁舎2階)


直通電話:0244-24-5282
ファクス:0244-23-7782
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