うにの貝焼き(平成27年8月10日)

暑い日が続き悩ましい毎日。夏は盛りをむかえています。猛暑が続けば文句が出るし、冷夏となっても文句が出る。夏に期待しすぎる人々が多いのか分からないけれど、身体的に耐えうる夏を希望します。
夏は旬の食べものがたくさん!海の幸もおいしいものがざっくざくです。今回のお話は外見はイガイガして攻撃的だけど中身はオレンジ色やクリームレモン色がまぶしい「ウニ」が主役です。
独特な風味が特徴のウニは、好きな人も多いでしょうが嫌いな人も多いでしょう。
生で食べても良し、蒸しても焼いても良し。とろけるような舌ざわり、やさしい甘み、磯の申し子のようなあの香りは独自の存在感を放っている。
福島県の浜通り、特にいわき地方ではウニの独特な食べ方がある。それは「うにの貝焼き」というものです。この食べ方は福島だけでなく茨城県北茨城市などでも同じようにみられる食べ方で、ほっき貝やはまぐりの殻にウニを山盛りにつめて蒸し焼きにしたものです。ウニをてんこ盛りにするのでたくさん獲れる地域でないと食べられない贅沢な一品です。この地域の方言ではウニを“がぜ”と言うので、「がぜの貝焼き」とか「がぜ焼き」とか呼ばれています。


母がこの地域の生まれなので、私はわりと馴染み深く子供の頃から食べていました。買ってきて家で食べる時はオーブンで温めななおすと表面が少しこんがりとして香ばしくなります。そのまま食べるという人もいますが、私はすこしあぶった方が好きです。貝殻にのっているというのが個人的にとても気に入っています。ごはんにもお酒にももってこい。ウニウニと凝縮した濃厚な味わいであります。いわき市では7月30日、震災後初となるウニの試験操業が行われました。機会があればぜひともお試しあれ。
(残念ながら南相馬市周辺では海の中に岩場が少ないせいか、ウニはいてもたくさんは獲れません。なのでうにの貝焼きはメジャーじゃありません。)
(川崎 悠)

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更新日:2024年04月01日