南相馬市にアライグマがいる!―南相馬市のアライグマとその問題点―【前編】(平成27年8月10日)

更新日:2024年04月01日

南相馬市のキャラクター郷くんとノマくんのイラスト

「南相馬市にアライグマがいる!」。こう言ったら、みなさんは驚かれるでしょうか。それとも、「震災前からいるよ、今は増えている!」と言うでしょうか。

うずくまった姿で写ったのアライグマの写真

アライグマって、なに?

アライグマは北米原産のアライグマ科の動物で、日本へはペットとして持ち込まれました。1970年代に放映されたテレビアニメに登場し、飼育していた方も多かったようですが、逃げ出したり捨てられたりして、今では日本全国に分布するようになりました。かわいらしい印象がありますが、成長すると気性が激しくなり、ペット動物としては向いていないようです。日本の生態系や人間生活に与える影響が大きいことから、許可なく飼育や生きたままの移動が禁止されている「特定外来生物」に指定されています。
国内での生息状況を調べると、森林から里山、市街地など様々な環境に生息しているようです。特に水辺が好きで、ザリガニやカエル、昆虫など野山の小動物、庭先の柿、野菜、ペットの金魚、アヒル、ニワトリ、ネコなどなんでも食べます。しっぽに一目でわかるしましま模様あり、これが大きな特徴です。大きさは、一番大きなもので全長(頭の先からしっぽの先まで)60~100センチメートル、体重は重いもので10キログラム以上あるそうです。

かわいく見えるのに凶暴なんですねぇ しかもニワトリさんやネコさんまでたべてしまうとはっ!恐ろしや・・・私の近所のネコさんたちにも教えてあげないと

南相馬市・福島県の分布

南相馬市では、1980年代に小高区飯崎地区で1頭が目撃されていたのが現在わかっている最初の生息情報です。その後しばらくは情報が途絶え、2000年になって原町区上太田、片倉、矢川原など太田川流域での目撃や捕獲情報が数件出てきました。2004年になると、同区牛越や西町からも目撃情報があり市内での分布は広がりをみせはじめます。2010年までには、目撃や捕獲情報が同区馬場、鶴谷、北原、益田、二見町、金沢の海岸線近くの水田、小高区の南鳩原など各地に及び、市内各地にアライグマが広まったものと考えられます。そして2011年3月に震災・原発事故がありました。原発事故で多くの人々が避難した原町区南部、小高区全域では、無人のエリアが広がり、アライグマが大繁殖してしまいました。
福島県内では、2015年現在までの情報を集約すると、ほぼ県内全域に生息しているものと思われます。会津地方の山間部や中通りの山地や人里からも報告されていますが、情報が特に多いのは浜通りです。新地町からいわき市に至る各市町村から報告されており、特に福島第一原子力発電所を中心とした半径20キロ圏内のエリアでは増加しているようです。
県内の分布の広がりは、20キロ圏内での繁殖個体の拡散のほか、県外から移動してきた個体があるものと思われます。

(稲葉 修)

茶色の柱に残されたアライグマがの爪痕の写真

アライグマの爪痕がつけられた柱

ひどい爪痕だなぁ・・・アライグマ問題は後編へつづくよ!それまで少々お待ちください。
南相馬市のキャラクター郷くんとノマくんのイラスト
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