南相馬市で見つけやすいドングリ (令和6年10月1日)

更新日:2024年10月01日

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馬、甲冑姿の男の子、サツマイモ、栗、モミジのイラストなどが並ぶ帯状の画像

 南相馬市内では秋になると公園や野山など、そこかしこにドングリが落ちています。子どものころ、ドングリをひろった経験がある方もたくさんいらっしゃると思いますが、その種類まで意識してひろうことはあまりないかもしれません。

 ドングリとはブナ科の樹木の実のことをいいますが、実は、南相馬市にはあわせて10種類をこえる、さまざまな野生のドングリの木が分布しています。今回は身近に見られる低地のドングリ6種を紹介します。

これだけおぼえよう南相馬市の身近なドングリ。ドングリとその葉っぱの画像6種類
コナラのドングリと葉っぱとその解説

①コナラ

 市内の雑木林を歩いていると一番よく見かけるドングリの木です。

 葉には少し粗いギザギザがあり、先端に近い方が幅が広い形をしています。ドングリはやや細長く、(かく)()(帽子)はウロコ模様になっているのが特徴です。あまり実がならない年もあり、木の下を探してもドングリがほとんど見つからないこともあります。

 ドングリの味はとても(しぶ)いので、アク抜きをしないととても食べられません。これはほかのほとんどのドングリも同じです。

クヌギのドングリと葉っぱの写真とその解説

②クヌギ

 公園などに植えられていることが多く、市内では東ヶ丘公園でよく見られます。

 葉は細長く明るい緑色で、ふちがギザギザしており小さなトゲ状になっていますが、さわっても痛くはありません。ドングリは丸く大きく、殻斗(帽子)はもじゃもじゃとした形をしています。

 ドングリの味はとても渋いです。 

アカガシのドングリと葉っぱの画像とその解説

③アカガシ

 比較的海岸に近い、標高の低いところの神社の周辺や雑木林に見られるドングリの木です。暖かい地域に生育するため、野生で分布しているのは福島県では浜通りの海岸のある地域だけです。

 葉は少し大きな細長い形をしていて厚みがあり、色は表側が深緑色をしています。ふちにギザギザはほとんどありません。ドングリはコナラよりも少し丸みがあって、殻斗(帽子)は横じまがあり、毛が生えているので、さわるとモコモコとした感じがするのが特徴です。

 ドングリの味はとても渋いです。

シラカシのドングリと葉っぱの画像とその解説

④シラカシ

 アカガシと同じように標高の低い場所の雑木林でときどき見られますが、福島県内では浜通りだけでなく中通りにも分布しています。公園などに植樹されていることも多いです。

 葉は小さく、厚みがあり、表側は濃い緑色をしています。ふちには小さなギザギザがあります。ドングリはやや小さく、コナラよりも丸みがある形です。殻斗(帽子)は横じまがあり、毛はないので触るとカサカサしているところがアカガシとは違います。

 ドングリの味はとても渋いです。

スダジイのドングリと葉っぱの画像とその解説

⑤スダジイ

 今回紹介するドングリの中では一番めずらしい種類です。

 アカガシと同じように標高の低い場所で生育しますが、市内で自然に生えているのは原町区江井(えねい)にある初発(はじめ)神社の林のものとされています。この場所のスダジイ林は日本の北限域のものとして福島県の天然記念物に指定されています。

 このほか、原町区の(きた)(にい)()野球場や、鹿島区の鹿島生涯学習センターの手前の坂道の脇に植樹されているのを見かけます。

 葉はやや小さく厚みがあり、表側は深緑色で、裏側は淡い金色がかった色をしています。ふちには小さなギザギザがあります。ドングリは細長い三角形で、殻斗(帽子)は全体を包み込むような深さがあり、熟すと裂けてめくれ上がったような形になります。

 ドングリの味は渋みがまったくなく、ほんのりと甘みがあり、とてもおいしいです。フライパンなどで炒って食べます。

クリもドングリの仲間。栗の画像。

⑥クリ

 一般的にはドングリと言われませんが、クリもドングリと同じブナ科の植物です。

 コナラと同じようにほとんどの雑木林で生えているのを見かけます。

 葉は細長く、ふちに痛くないトゲのあるギザギザがあり、クヌギに似ています。葉だけでクヌギと見分けるのは少し難しいです。殻斗(帽子)は実の全体を覆って無数の鋭い針のようになっており、刺さるとケガをします。中にはたいてい3つの実(ドングリ)が入っています。ときどき実が2つとか1つだけのときもありますがその場合は実らなかった薄い実が挟まっています。

 実の味はとても甘くておいしいです。焼いたりゆでたり、ごはんに混ぜてもおいしいですよね。

 今回は身近に見られるドングリを紹介しました。

 秋はドングリ探しに一番の季節ですので、ぜひいろいろなドングリを探してみてください。

 また、ドングリの木は春に花を咲かせています。

 写真はコナラの雄花と雌花ですが、4月のおわりから5月のはじめごろに咲いています。この頃に雑木林のまわりを歩いていると咲き終わったコナラの雄花がたくさん落ちています。

 この小さな花がどんなふうに大きなドングリの実になるのか、興味を持ったらぜひ観察してみてください。

ドングリ(コナラ)の花。左が雄花、右が雌花。

ドングリの雄花(左)と雌花(右)

春に道端に落ちたドングリの雄花。木くずのような姿。

春に道端に落ちたドングリの雄花

(仲川 邦広)

馬、甲冑姿の男の子、サツマイモ、栗、モミジのイラストなどが並ぶ帯状の画像

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