市民の内部被ばく検診(平成24年10月1日~平成25年3月31日) 結果

更新日:2019年03月30日

結果概要

 今回の結果は、南相馬市立総合病院および2012年7月より検査を開始した渡辺病院での測定結果をまとめて集計しています。

検査結果

(1)図1-1,1-2

 成人、高校生以上では、94.8%が検出限界以下、小児は全員検出限界以下でした。前期とは前回の発表2012年3月末まで(検診結果(3))を指します。

(2)図2

 検査月別のセシウム検出率は、大人、子供とも低い状況を維持しています。小児に関しては、2012年9月以降検査者全員が検出限界以下を維持していました。

(3)図3-1,3-2

 男女では男性に検出率が高くなります。排泄速度の差など生物学的な差が原因と思われます。高齢者ほどセシウムの検出率が高くなります。高齢ほどセシウムの排泄速度が遅いことも関与していると考えられます。

(4)図4

 大人で20ベクレル毎キログラム以上の3人は、再検査にて全員値は低下傾向を確認しています。

(5)図5-1,5-2

 2012年7月から希望する市民全員に対して2回目の検査を行っています。図5-1は南相馬市立総合病院での検査、図5-2は渡辺病院での検査結果です。2回目の検査にて、多くの方で値が低下傾向または、検出限界以下を維持していることが分かりました。しかしながら、初回検出限界以下でも、2回目の検査で放射性セシウムを検出する方がごく一部にいらっしゃいました。
 前回での検診結果同様、出荷規制のかかった種類の食品を未検査にて継続的に摂取しておられた方にこの傾向が見られました。
今後も食品検査の徹底と検査受診への呼びかけを続けて行く方針です。

(6)図6

 米と野菜以外では、地元産のものを消費されている方は非常に少ない状況は以前の結果と同様です。ご高齢になるほど、地元産食品の摂取率が高くなります。セシウムの検出率は全群で低下傾向であり、流通食品、検査済みの地元食品の汚染リスクは十分に低い状況が維持されていると考えられます。一部、未検査の汚染食品を継続的に摂取することにより、内部被ばくが抑えられない例も散見されるため、今後も継続的な食品検査が必要となります。市での農産物検査結果の概要は市のホームページ(農産物)に、自家用消費食品など検査結果は市のホームページ(自家用消費食品)に示しております。
 前回の検査では、飲料水として、ミネラルウォーターと市水道を使用されている方がほぼ同数でした。今回の結果では、やや市水道を使用されている方の割合が高くなったことがわかりました。水の検査結果の概要は市のホームページ(水道水)に示されています。なお、放射性セシウムについては平成23年3月の測定開始以来すべてで検出限界以下となっております。
 野外の活動時間は、震災後減少していることが報告されておりましたが、徐々に野外での活動時間も増加傾向にあることが示唆されました。長時間活動する場所などから優先的に除染を行い、空間線量の上昇が野外での活動の妨げにならないよう対策を継続的に行う方針です。

(7)図7-1~2

 徐々に内部被ばく検査の受診率が低下しています。値は低い状況を維持しておりますが、今後の汚染食品の摂取による内部被ばくが増加傾向にないかを確認するため、継続的な検査を行って行きたいと考えております。2013年5月7日より、南相馬市の小中学生全員を対象に、学校検診としての内部被ばく検査を開始しております。今後、小児だけではなく、大人も健康診断として継続的な検査を受けられるよう体制の整備を行って行きます。

結果の総括

 第4回目の今回は、2012年10月から2013年3月末までの結果をご報告致します。
 検査月別のセシウム検出率は、大人は低下傾向、子供も低い状況を維持しています。この一年間の検査でも同様の状況が維持されており、今現在の南相馬市での生活を続ける上で、慢性的な内部被ばくが非常に低く抑えられていることを示しています。
 しかしながら、一部の大人で比較的高い値が検出されたり、2回目の検査で体内の放射能量が増加傾向にある方も散見されます。原因として、未検査の汚染食品の継続的な摂取と考えられます。内部被ばくの値や、セシウムの検出率は低い状況を維持しておりますが、今後も継続的な検査や食品検査の徹底が必要です。
2013年5月7日より南相馬市の小中学生全員を対象に、学校検診としての内部被ばく検査を開始しました。
年に2回継続的な検査を行う予定ですが、今後、小児だけではなく、大人も健康診断として継続的に検査を受けられる体制を整備してゆきます。
 市では、各種放射線検査の拡充、食品検査結果の迅速な公表・注意勧告に努めるとともに、継続的なWBC検査、初期の被ばくに対する健康フォローの強化を行って行きたいと考えております。

南相馬市長 桜井勝延
南相馬市立総合病院 院長 金澤幸夫
南相馬市立総合病院 医師 坪倉正治

図1-1セシウム137の体内放射能量の被験者数のグラフと表組
図1-2セシウム137の体内放射能量別の被験者数のグラフと表組
図2 月別セシウム検出率の推移のグラフ
図3-1 年齢別セシウム検出割合のグラフと表組
図3-2セシウム137検出者詳細のグラフと表組
図4セシウム137再検査グラフ
図5-1セシウム137 2回目検査結果のフローと表組
図5-2セシウム137初回検出者 同一機種追跡結果のフローと表組
図6-1 年齢別震災後食べ物の摂取のグラフ
図6-2自宅の飲料水の種類のグラフと表組
図6-3震災前後 屋外行動時間の変化のグラフと表組
図7-1 月別受診者数の推移のグラフ
図7-2 年齢別受診者数のグラフと表組

 

この記事に関するお問い合わせ先

健康福祉部 健康づくり課 放射線健康係


〒979-2102
福島県南相馬市小高区小高字金谷前84(小高保健福祉センター)


直通電話:0244-44-2121
ファクス:0244-44-2123
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