市長への手紙「避難指示解除は慎重に」

更新日:2018年12月25日

(男性)

 遠方に避難してるので、今回は最低一カ所でもいいから首都圏で開催してほしい。
 次に、市長は昨年12月4日原子力損害賠償紛争審査会会長宛て「中間指針の改定を求める要望書」で「避難指示の解除の時期に関わらず、現状の居住制限区域及び避難指示解除準備区域内の被災状況に即し、同区域内の不動産の価値減少の程度を全損と推認することを指針として示すこと」を、強く要望している。
 さらに、四か月経った今に至っても「中間指針の改定」なるもの、未だに目にしてない。市長は当然中間指針の改定を確認した後、避難指示解除に同意すべきと思うので、所見をお伺いしたい。

市の回答

 避難指示解除に向けた市民説明会の首都圏での開催ですが、市外避難者に対し、丁寧な説明を行うためにも、避難指示解除を決定する国に対し、首都圏、県外で説明会を開催することについて申し入れしているところです。
 また、中間指針の改定確認後に避難指示解除の同意をすべきとのご意見については、本市では、速やかな避難指示の解除が実現したことで、賠償において不利な取り扱いを受けないよう、避難指示解除と賠償を切り離し、全損評価による賠償を行うべきと考えており、平成27年11月24日に経済産業省並びに文部科学省に対して、川俣町、飯舘村、葛尾村と同様に連名で解除の時期にかかわらず全損扱いにするようにという内容の要望書を提出してきたところです。
 以上から、中間指針の改定確認後の解除同意ではなく、本市が解除方針と掲げている、(1)避難指示区域の宅地周り及びその近隣の除染が完了し、(2)小・中学校等の教育施設環境が概ね整う見込みが立った場合に、解除の最終判断をすることとしております。

 また、本市では、原子力損害賠償紛争審査会に対し、平成27年12月4日付けの「中間指針の改定を求める要望書」を提出し、避難指示解除の時期に関わらず、本市の居住制限区域内及び避難指示解除準備区域内の不動産について全損評価による賠償をする旨を中間指針として示すことを求めております。しかし、現在のところその旨の中間指針の改定は実現されておりません。
 本市としては、本市の居住制限区域内及び避難指示解除準備区域内の不動産の原発事故後の荒廃の実態は全損評価をすべき状況にあると理解しております。したがって、両区域内の不動産について全損評価による賠償を実現するよう、原子力損害賠償紛争審査会を含めた国の関係機関及び東京電力ホールディングス株式会社に対し、引き続き働きかけてまいります。

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