市長への手紙「福島第一原発の廃炉、処理水の海洋放出、国見山の放射線量に関する注意喚起等について」

更新日:2023年01月16日

市長への手紙

南相馬市民の為にご尽力いただき感謝申し上げます。

私は、6月の議会へ意見書の提出をさせて頂き、南相馬市の市長さんはじめ、議員さん各位の皆さまには慎重にご検討いただき、処理水の海洋放出に伴う海底トンネル工事着工に関する工事を福島県に認可しない様にとのお願いの要請書を可決して頂きました。本当にお世話になり、ありがとうございます。この件に関しては、勿論、私だけではなくその他の方も、同じ内容の意見書を提出された方がおられるとお聞きしています。しかしながら、内掘県知事と当地である双葉町と大熊町の組長さんは合議という形を通して、工事認可の許可を8月2日に出されました。残念でなりません。福一の現状についての状況把握をしたいと思い、東電からの情報等、色々な資料や各分野でのご活躍されておられる学者さんのお話を聞く機会がある度に、「福一の状況は一般住民が捉えている以上に危険な状態にあるのではないのか?」「処理水云々よりも緊急を要する事態があるのではないのか?」という不安が募ります。更には、最近では、日本全国あらゆる地域での地震情報があり、その上、台風や強風、豪雨など自然災害も頻発しています。震度3前後の地震がある度、真っ先に思う事は「福一は大丈夫?」という事で心臓がドキドキしてきます。先日も双葉郡で震度5弱の地震が派生したばかりです。
先日の夜、福島県事故対策委員会の森重晴雄氏によるzoomでの勉強会に参加しました。そこでは、話題提供とのことで、原発事故以来ずっと漫才の場で活躍されておられたおしどりマコケンさんとのデスカッションに参加しました。題は、「福一1号機は今、どうなってる?」という内容(福島県事故対策検討会で検索)。3・4号機のデブリは既に撮り出し完了し、燃料プールに管理。しかし、1・2号機の燃料は溶けてしまい(3号機も?)デブリとなり、コンクリートやその他で有機化合物として格納容器の底に溜まっているとのこと。今回、ニュースでも報道されている通り、コンクリートが溶けてしまい鉄筋しか残っていない…(しかもコンクリートを支えているスカートと呼ばれる部分も破損?)との画像。これで度重なる地震が押し寄せれば、原子炉は揺れに揺れて、倒れてしまう危険性もあるとの事。重盛春雄さんのブログなどに分かり易く記載あります。森重さんからお名前を出すことでの了解は得てます。処理水の海洋放出・海底トンネルも懸念されますが、もしもこの原子炉が倒れるような大地震が襲ってきてしまったら、東日本のみならず西日本も…避難しないといけない事態にもなりかねないという恐怖が襲います。私達が住むこの南相馬市は30Km前後に位置している地域。しっかりとした避難計画を作成しなければならないことになるのではないかと思います
しかし、規制庁委員長の更田さん(10月より山中さん)は「福一もかなり落ち着いてきているので、何かしらの有事の場合は、30Kmまでの避難計画はせず、もっと狭めても」良いのでは?」と。11年前の原発事故の打撃が未だにあるというこの南相馬市です。悲しい限りです。
デブリの取り出しも重要であるとは思いますが、県庁原子力対策室でも「ペデスタル内をカメラで調査を!」と訴えているとの事。福島県には、59市町村があります。その組長さんにも色々な情報発信をして頂き、意見交換してこそ、福島県政なのではないかと思います。処理汚染水の海洋放出も大事であるのは間違いありませんが、炉心の方が重大なのではないかと思います。今一度、この福一の原子炉の実態を知ってほしいと思います。

更にもう一件ですが、7/16~10/1まで4回にわたって、ふたば未来学園内で早稲田大学教授の松岡俊二氏を塾長として「地域塾なるものが開催されました。福一の視察も計画に盛り込まれ、「廃炉の先を考える、語り合い、学び合いの場」というテーマでのグループワークでの討議がありました。地域の中で「廃炉」を捉え、考えるのは当然であります。しかし、大学生や高校生を中心に誰でも廃炉について関心がある人が入って、議論し合います。具体的には、双葉地区内の田畑の耕作作業をする体験…という話も出たようです。あまりにも飛躍過ぎるのではと思います。線量計でのモニタリングを先日大熊町の特定復興再生拠点区域を測定してきました。ホットスポットもありました。なんと土壌汚染は7,500,000?もありました。廃炉について難しいので、東電スタッフに対して分かり易いパンフレット作製の提案などもありました。それは知識として知ることなので良い事であるとは思います。が、この地域塾というものは、福島県の市町村全体で考えていくべきものではないかという気がしました。イノベーションコースト構想もあって然るべきではあります(11/27ゆめはっとでのセミナー参加しました。副市長がおいでになり南相馬市との協定締結とのこと。)故に、南相馬市長さんにも、こういった企画があったという事を知って頂きたい事。塾長の松岡さんも福島県内の組長さん方、議員さん方にも捉えて考えてもらえると何より大事だという仰っておられ、そして、この動画は、公表するという事ですので、お忙しいとは思いますが、「地域塾ふたば未来学園、又は早稲田大学の松岡俊二教授」を検索して頂ければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

続いてもう一件について、お便りします。
南相馬市の原町区高倉行政区には、国見山があります。先週の木曜日、「ふくいち周辺環境放射線モニタリング・プロジェクトチーム」に参加し、この国見山山頂までの道のりを地図上250mメッシュでのポイントごとに放射線を測定しました。現在はここ数年の台風や大雨風邪によりこの山々のいたるところが破損し修復作業している最中であり、高倉ダムから横川ダムの賛同は通行禁止でした。が、歩いていくにはその注意する看板はありません。ご存じの通り、この国見屋かへの登山道は、四方八方あらゆる場所からあります。その場所の確認はしていませんが、山頂までの地点ポイントを測定しながら歩きました。結構な空間放射線量の割には、一つも注意看板はありませんでした。これだけの放射線量がまだまだあるこの国見山周辺において、誰もこの事実を知らないと思いますので、どうか看板などの注意書きを立ててほしいというお願いをしたいと思います。知らないことはとても危険な事であり、こうした配慮をすることで、市民の皆様方にも注意して頂ければと思いました。命を守り暮らしを守ることは、安定した生活をする上で、とても重要だと感じます。よろしくお願いいたします。

最後に、昨日、いわき市にてシンポジウムがありました。汚染水の海洋放出について。東電と経産省エネルギー庁の方々はおいでになられ、色々と説明をされていましたが、市民がどうこう言っても方針は変わらず…と、いった感じです。そこで、このシンポジウムの中で、全国で汚染水の海洋放出についての公聴会開催という事でお願いしましたが、それも今のところ予定はないということでした。そこで可能であれば、南相馬市としての公聴会開催を申し出て頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

回答

市としては、福島第一原子力発電所の廃炉が安全かつ確実に進められることが、住民の安全の観点はもとより、本市の復興を成し遂げるうえでも不可欠なものと捉えております。

佐藤様のご意見にあるように、多くの方が原発事故の記憶を風化させずに、廃炉について正しく理解することも重要と思います。そのためには、国や東京電力による住民に寄り添った丁寧な説明が不可欠であることは言うまでもありません。
福島第一原子力発電所の事故により、甚大な被害を受けた自治体として、廃炉作業が完了するまで、県や関係自治体とともに確認、意見してまいります。

また、国見山の状況ですが、先の東日本大震災と原子力発電所事故により緊急時避難準備区域及び居住制限区域に指定され、立ち入りが制限されておりました。
更に、令和元年東日本台風により林道が被害を受けたため、現在復旧工事を行っているところであります。ご指摘いただいた通行禁止の林道につきましては、起終点に看板を設置し、注意を喚起いたします。

市では、東京大学の児玉龍彦名誉教授が委員長を務める南相馬市環境回復推進委員会から放射線に関するご意見をいただきながら、現在、国見山の整備を進めております。令和3~4年度で国見山林道の災害復旧を行い、令和5年度には国見山森林公園内の朽ちた防護柵や多目的広場・東屋・階段等を整備し、令和6年度にリニューアルして再開する予定です。

線量につきましては、平成30年10月から令和2年1月にかけて里山再生モデル事業により国見山森林公園内の遊歩道や多目的広場等の除染を行い、その結果空間線量は低減している状況です。
環境省試算による個人被ばく線量は、1回の山頂登山に3時間要した場合0.0018mSvとなり、年間12回利用した場合でも0.02mSvとなり人体への影響は小さいとのことです。
公園整備工事前後には、里山再生モデル事業で線量測定したように放射線量の調査を行うと共に、3つの登山道についても放射線量の確認を行う予定です。国見山周辺の放射線量の状況を知らせる看板の設置につきましては、各登山道の入り口に設置し周知することを検討してまいりたいと考えております。

最後に、処理水の海洋放出についてですが、市では、令和4年9月7日に経済産業副大臣兼原子力災害現地対策本部長が来市された際に、ALPS処理水の海洋放出について国民の理解が進んでいないことを踏まえ「国民への分かりやすい説明と理解を得ること。」などの要望書を手渡したところですが、市民への説明会の開催についても国へ要望してまいります。

廃炉が安全かつ確実に完了し、未来を担う子どもたちの世代が原子力災害を心配せずに済む世の中になることを願ってやみません。

この度は、貴重なご意見、誠にありがとうございました。

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福島県南相馬市原町区本町二丁目27(本庁舎3階)


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