市長への手紙「相馬野馬追に関する意見・要望について」

更新日:2023年11月10日

市長への手紙

初めて相馬野馬追を現地で拝見しました。執行委員長が貴市の市長でしたので、こちらにメールさせていただきます。
本当に素晴らしい伝統行事で、日本の文化的な多様性、豊かさ、地元の皆様の情熱を実感することができました。ぜひ今後も続けていただくために、以下気づいた点をお伝えさせてください。
①時期と時間の早急な見直しをお願いします。(報道では再来年にもとありますが、できるだけ早く、来年からにしていただきたいです)
浜通りの相馬は涼しいのかと思っていましたが、地球温暖化は容赦なく、手元の温度計で37度になりました。立っているだけでも眩暈がする暑さで、慣れない和装の人馬はいかにしんどいことか、と思いました。
②馬のための水と氷の確保をお願いします。
私は東京五輪で馬術会場のボランティアをしたのですが、国際馬術連盟の規定で馬事公苑には15℃以下の水温の水が大量に用意されました。水温を常にチェックして、氷を投入するのです。500 リットルの馬用水槽があちこちに用意され、馬は冷水を浴びたり、飲んだりすることができました。
野馬追では、先祖伝来の貴重な馬具を使っているためか、水をかけてもらえない馬も多かったようです。海外からの取材陣もいましたので、虐待を疑われかねないと心配です。
③馬のための日陰を用意してください。
直射日光が容赦なく降り注ぐ会場で、逃げ場のない人馬とも相当な消耗だったと思います。
せめて会場の一部でも日陰を用意できないでしょうか。これは観客席も同様で、有料の観覧席でさえ日差しを遮るものがないのは非常に危険だと思いました。
④競馬の走路の改善をお願いします。
雲雀ケ原の会場は大変美しい場所で感銘を受けましたが、走路が少し急カーブではないでしょうか。在来馬なら良いと思うのですが、大型のサラブレッドが多い現状に合っていないのではないかと思いました。特に重い旗竿を腰に指して襲歩で走らせるのはコントロールが効かない印象です。第2レースで柵に激突した人馬がいまし
たが、人は救急搬送され、馬は血だらけになって連れていかれました。悲惨な様子に言葉を失いました。カーブの柵を鉄製から変えるか、緩衝材を配置するか、ぜひ前向きな御検討をお願いします。
野馬追は世界に誇れる日本の伝統文化だと思います。持続可能性を高めて次の世代に受け継がれていきますように、どうぞ改善をお願いします。

回答

日ごろ、市政各般にわたり、ご支援とご協力を賜り、深く感謝申し上げます。
また、このたびは「市長への手紙」をいただき、誠にありがとうございました。
市へのご意見・ご要望につきまして次のとおり回答いたします。

1.時期と時間の早急な見直しについて

猛暑の中での相馬野馬追開催は、人馬や観客の健康・安全を脅かすことが懸念されるため、相馬野馬追を運営する相馬野馬追執行委員会では、8月10日と27日に日程変更検討会を開催し、新たな日程での相馬野馬追においても、国指定重要無形民俗文化財の指定が継続されることを前提として、令和6年からの開催日程を5月の最終土、日、月曜とする案で決定されたところであります。

市といたしましては、日程変更にかかる最終決定まで検討状況等について、注視してまいりたいと考えます。

2.馬のための水と氷の確保について

今年は、例年以上の暑さが予想されておりましたので、市としても散水車を騎馬救護所に派遣するなどの協力・支援を行ったところであります。さらに相馬野馬追執行委員会では、山頂に馬を冷やすための給水ホースを設置したほか、行列が行われる前に、散水車を3台駆使し沿道に打ち水を撒くなど馬のための暑熱対策を講じており、ます。今後とも随時暑さ対策を検討致します。

一方、馬の飲み水に氷を入れるご提案については、相馬野馬追執行委員会では、馬用飲料水を冷やすための対策等は行ってはいませんので、今後、馬の専門家の意見を伺いながら、馬用飲料水に氷を入れることなど対策や対応について、協議していく方針です。

3.馬のための日陰の準備

会場となる相馬野馬追祭場地はご存じのとおり、広大な平地で、日差しを遮るものはありません。祭場地の周辺には休息できる日陰がありますが、ほとんどの馬は馬場内で待機している状態であり、市としましても、馬場内の暑熱対策は大きな課題であると捉えています。

馬場内には5つの郷の陣屋があり、騎馬武者や騎馬家族がそこで待機していますので、例えば、陣屋のそばに日差しを遮る葦簀(よしず)などを設けることが可能かどうか等、馬場内における暑熱対策について、相馬野馬追執行委員会で協議してまいります。

4.競馬の走路の改善

祭場地の走路、特に第1コーナーでは過去にも事故が起きている実情を踏まえ、相馬野馬追執行委員会では、その対策として、走路の幅を広げコーナーの角度を緩めるなど、事故防止のための安全対策を講じてまいりました。

しかしながら、相馬野馬追執行委員会による事故対策等は行っていたものの、今年の甲冑競馬で衝突事故が発生したことは、大変残念であります。

市といたしましても、相馬野馬追の各行事が安全に執行されることが重要と考えていることから、走路脇の柵の安全対策等について、万が一、人馬が柵に衝突した場合でも衝撃を和らげる緩衝材の設置など、人馬の安全を最優先に考えていただき、専門家の意見等を聞きながら、改良・改善を行うよう、相馬野馬追執行委員会で協議してまいります。

この記事に関するお問い合わせ先

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